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【入門編】HACCP導入の7原則12手順とは

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HACCPは7原則12手順に沿って進めよう

今回はHACCPの入門編として、HACCP導入の7原則12手順についてお届けします。前回の法改正より15年が経過した2018年6月に「食品衛生法」が改正され、そして2021年6月からHACCP導入・運用の完全義務化となりました。HACCPはHazard Analysis and Critical Control Point のそれぞれの頭文字による造語で、「危害要因分析重要管理点」と訳されています。HACCP導入、そして成功のための7原則12手順を紹介します。

7原則12手順【しっかり準備の手順5】

HACCP導入の「7原則12手順」ですが、手順5までは「いわゆる準備段階」になります。いきなり担当に任命されたりチーム編成を任された時は重圧や懸念点もあるかと思います。準備段階の手順5まで、気楽に取り組むための「point」もお届けします。

手順1 HACCPチームの編成

製品を作るための情報がすべて集まるように、調達、工務、製造等の各部門から担当者を集めてチームを編成しましょう。専門家が不在の場合には、外部から専門家を招いたりすることも効果的です。
point! 「チーム編成はストレスフリーで」プロジェクトが進みやすいコミュニケーションツールの選定やオンライン会議を利用するなど、「メンバーのストレスを減らす体制」を意識するのもオススメです。

手順2 製品説明書の作成

製品の安全管理上の特徴を示すものです。原材料や製品の規格、利用方法など製品の情報を整理しましょう。
point! 「製品説明書はまずは雛形(テンプレ)を」チームメンバーの誰もが理解しやすく、また簡単に作成できるようなツールで「製品説明書の雛形」を作成することから始めても良いかもしれません。雛形を作ることで、あとは必要な情報を各担当者が記載する流れもオススメです。

手順3 意図する用途及び対象となる消費者の確認

用途は製品の使用方法(加熱の有無等)で、対象は製品を提供する消費者を確認します。誰にどのように食べられるかを書き出しましょう。
point! 「まずは身近な人で消費者イメージを」家族や友人、会社の同僚など、まずは自分の身近にいる人を消費者として想定しながら「この人には、この点を注意することが大切かも」と考えながらだと、よりイメージしやすいかもしれません。※個人情報の取り扱いには細心のご注意もお忘れなく。

手順4 製造工程一覧図の作成

原材料の受入から保管、製造・加工、包装、出荷もしくは提供までの流れについて、工程ごとに書き出して作成します。危害要因を分析するためのもので、一連の流れを順に書き出しましょう。
point! 「確立している工程から作成しよう」一連の流れを原材料の受入⇒保管⇒製造・加工のように、順番通りに一覧図を作成することが理想ですが、まずは「製造・加工」から作成、「提供」から作成など、ある程度確立している工程から作成することもオススメです。

手順5 製造工程一覧図の現場確認

製造工程一覧図を作成後、現場での人の動きやモノの動きに間違いがないかを確認します。また、勝手に製造工程が変更されていないか等も現場で確認しましょう。
point! 「まずは工程ごとに現場確認を」こちらも手順4と同様に、それぞれの工程ごとに「現場での人の動きやモノの動き」を確認してから、最終的に一連の流れとして現場確認することもオススメです。全てを一度に確認しようとすると、どうしてもスケジュール調整や、問題発生時の修正対応などに時間を割かれ、気付いたら「先延ばし」になってしまうこともあります。

7原則12手順【HACCPの7原則】

HACCP導入にあたり、「しっかり準備」の5手順を整えたら、手順6以降は「HACCPの7原則」となります。7原則それぞれの決定や設定、そして分析の段階に入ります。

手順6 【原則1】 危害要因の分析(ハザード)

有害な微生物、食中毒菌、化学物質、危険異物など、健康に悪影響をもたらす原因になるものが潜んでいるか考えてみましょう。

手順7 【原則2】 重要管理点(CCP)の決定

加熱殺菌や金属探知などにより、危害となる要因を「つけない、増やさない、殺菌」するなどの工程です。危害要因を除去・低減すべき特に厳重管理が必要な工程を決めましょう。

手順8 【原則3】 管理基準(CL)の設定

温度や時間、形状や色など、手順7で決めた工程を管理するための基準を決めましょう。

手順9 【原則4】 モニタリング方法の設定

中心温度計での測定や金属探知機、目視確認など、手順8で設定した基準が正しく管理されているかを確認する方法を決めましょう。

手順10 【原則5】 改善措置の設定(廃棄、再加熱など)

再加熱や廃棄など、モニタリングの結果で管理基準が守られなかった場合の製品の取り扱いや機械のトラブルを基に戻す方法をあらかじめ設定しておきましょう。

手順11 【原則6】 検証方法の設定(記録、検査など)

HACCPプランが有効に機能しているのかを見直しましょう。重要な工程の記録を確認、改善措置は十分に対応できているか、修正が必要か等、検証方法を設定しましょう。

手順12 【原則7】 記録と保存方法の設定

記録はHACCPを実施した証拠であると同時に、問題が生じた際には原因を追及するための手助けとなります。各工程の記録と保存方法を設定しましょう。

【入門編】HACCP導入の7原則12手順とは、のまとめ

今回のHACCP入門編「HACCPは7原則12手順に沿って進めよう」はいかがでしたか? 手順1~5の「準備段階」を最初から完璧に準備しようとすると、いつまでも進まないかもしれません。チームメンバーのストレスにならないように、出来るところから一つ一つ手順5までをまずは一度整えてから、PDCAを回して理想形に近づけるアプローチも良いかもしれません。まずはチームメンバー全員が「7原則12手順」を共通認識にすることが、HACCP導入と成功の第一歩となります。



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